課題・取り組み

ペアレンティングは子どものためだけでなく、子育てに悩む親の大きな救いにもなる。

子どもをより良く育てたいと思うのは、当然のこと。しかし、その方法がわからず悩んでいたり、間違った方法を正しいと思い込んでいる親も多い。また、上手く愛情表現ができない親も。虐待に至る親だけを責めてはいけない。いろんな性格・個性の親がいる。誰でもできるような方法があれば、追い詰められる前に助けを求めることができれば、親も随分楽になると思う。

親からの虐待で、もしくは何気ない言動で子どもの頃に心に傷を負ったまま、大人になってもそのトラウマから逃れられない人が沢山いる。「表に出ないから問題が無い」という訳ではないことを体験した人は大勢いるのではないか。

虐待をしてしまう親に、間違った価値観を正しいと思い込んでいる親にペアレンティングプログラムを届けることが大きな課題である。

 

どうして日本ではペアレンティング(親業)が普及していないのか?

35年ほど前、母が「親業に行ってくる」と言っていたことがある。20年近くアメリカで子育てをして、当たり前のようにペアレンティング・プログラムを見聞きした後帰国したら、日本では周りの誰も言葉すら知らない。ネットで検索しても極僅か。発達障害や問題行動の子どもの対応に向けてのみ?先進国なのに何故だろう?

考えられる理由は、米国方式のペアレンティングが:

  1. 体罰や厳しさをよしとする日本の子育て・教育の仕方にタブーとなる。
  2. 普及しないためトレーナーも育たない。ボランティアでするには負担が大きい。
  3. 個人で開催するプログラムは高額のため、一般普及しない。

といったところだろうか。誰もが気軽にというにはほど遠い。

 

児童虐待がようやく明るみに出てきた日本。「虐待・いじめ防止のための自治体による取り組みが必要!」と昨今メディアで連呼されているが、ファミリーサポートの一環としてペアレンティング・プログラムを取り入れている自治体はどのくらいあるのだろう?ハッピーな子どもの育成のため、強いては幸せな社会のために、自治体が推進するべきことの一つであると強く思う。